慰謝料について

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「夫の暴力が原因で離婚するので、慰謝料をもらいたい」

「妻から長年にわたりモラハラを受けていたので離婚時に慰謝料を請求したい」

など、離婚のご相談をお受けすると、必ずと言っていいほど慰謝料についてもご質問を頂きます。

 

慰謝料って何?

慰謝料とは、精神的苦痛を償うために支払われるお金です。

そして、離婚における慰謝料とは、離婚の原因となった行為によって受けた精神的苦痛を償うために支払われるお金のことをいいます。

 

どのような場合に慰謝料を支払うの?

離婚をすれば必ず慰謝料を支払わなければならない(または、慰謝料を貰える)というわけではありません。

この点は勘違いされている方も多いので、注意が必要です。

慰謝料を支払う必要があるのは、基本的に、夫婦のどちらかが離婚の原因をつくった場合です。

ただ、離婚の原因といっても、どのようなものでもよいわけではなく、基本的に民法で定められた離婚の原因(法定離婚原因)に限られます。

民法で定められた離婚原因は、そのうちのどれかが認められれば、夫婦間で離婚をする合意ができていなくても、裁判所が離婚を認める判決を下すことができるというものです。

慰謝料を支払う必要がある離婚原因のうち代表的なものとしては、

① 不倫(不貞)
② DV(暴力)
③ モラハラ(言葉の暴力)
④ 不当に生活費を渡さないこと
⑤ 家事放棄
⑥ 就労放棄
⑦ 不当な同居拒否
⑧ 不当な性交渉拒否

などです。

他方、例えば、性格の不一致や夫婦の親族との関係悪化などについては、それらが原因で離婚に至ったとしても、夫婦のどちらが原因をつくったかが明らかでない場合が多いので、慰謝料請求は認められないことが多いです。

離婚時の慰謝料請求が認められるのは、夫婦のどちらか一方が離婚の原因をつくったことが明らかな場合のみと覚えておけば問題ないでしょう。

 

慰謝料の相場はいくらくらい?

ご相談の場で慰謝料の相場を尋ねられることは非常に多いです。

しかし、既にご説明した通り、慰謝料は精神的苦痛に対して支払われるものですので、受けた精神的苦痛の大きさによって金額は変わってきます。

そして、精神的苦痛の大きさは目に見えないものですので、ケースによって金額は大きく異なります。

ただ、だいたいの目安をお伝えするとすれば、離婚における慰謝料は、50万円~300万円の間に収まることがほとんどだと思います。

それでは、どのような要素を考慮して慰謝料の金額が決まるのでしょうか。

慰謝料金額の決定で考慮される主な要素としては、

① 離婚の経緯・責任の程度
② 婚姻期間
③ 子どもの有無・人数
④ 請求者の年齢・経済状況
⑤ 請求される側の職業や年収

といったものが挙げられます

①については、例えば、離婚原因が不倫であれば、不倫の期間不倫の回数などの不倫の内容が考慮されることになります。
また、離婚原因がDVであれば、暴力の回数暴力の頻度ケガの程度などのDVの内容が考慮されることになります。

 

慰謝料請求をするために準備すべきことは?

慰謝料請求をするためには証拠を準備する必要があります。

相手が不倫やDVなどを素直に認めるのであれば証拠がなくても慰謝料を支払ってもらえるかもしれませんが、相手が認めない場合には、証拠の存在が必要になるのです。

どのような証拠があれば足りるかについては、ケースによります。

例えば、不倫であれば、肉体関係があったことが分かる証拠(ラブホテルに出入りする写真、性交渉のことが記載されたメールなど)でなければなりません。
DVであれば、配偶者から暴力を振るわれたことが分かる証拠(診断書、暴力の状況が記載された日記など)が必要となります。

証拠を準備する場合、離婚の話し合いが始まってからでは証拠を集めることは難しくなってしまうことが多いので、できるだけ早い段階で証拠収集を始めることをお勧めします。

 

確実に慰謝料を支払ってもらうにはどうすればよいの?

離婚時に相手に慰謝料請求をする場合、基本的には、離婚の話し合いと同時に慰謝料の金額などについても話し合いをすることになります。

そして、慰謝料についての話し合いがまとまった場合には、離婚後に言った言わないというトラブルが生じないよう、慰謝料などの取り決めについて、離婚協議書という形で書面に残すことが重要です

ただ、離婚協議書を作成しても、離婚協議書内に記載された慰謝料が支払われなかった場合には、慰謝料の支払いを求める裁判などを行わなければ、強制執行(差押えなど)という手続で相手の財産から強制的に支払いを受けることはできません。

このことから、離婚協議書を公正証書という形にしておくことが重要です

公正証書とは、簡単に言うと、公証役場という場所で公証人のチェックを受けた書面のことをいいます。

そして、公正証書には、書面の中に支払義務ありとして記載されている金額が支払われなかった場合に、裁判などを行わずに強制執行の手続をとることができるという特徴があります。

そこで、離婚協議書を公正証書という形にしておくことで、相手にプレッシャーを与え不払いを防ぐことができるとともに、仮に不払いが生じたとしても裁判などを経ずに強制執行を行うことができるようになるというわけです。

 

当事務所では、離婚前の段階で慰謝料を含めた各条件について十分に話し合い、その結果を正しく書面化することが重要であると考えています。

離婚を検討されている方は、是非、できる限り早めの段階で当事務所にご相談ください。

 

執筆者プロフィール

代表弁護士 森川 弘太郎

当弁護士法人は、開設以来、一貫して離婚や不倫慰謝料問題をメイン分野として扱っており、今までにご相談いただいた件数は、男女問題に関するものだけで1000件を超えるほどです。

なかでも不倫慰謝料問題については、慰謝料を請求するケース・慰謝料を請求されたケースあわせて常時数十件以上のご依頼をいただいている状況で、西東京・多摩地域ではトップクラスの取扱件数であると自負しております。



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